ものもらい(めばちこ)はうつる?眼帯はしたほうがいいの?
季節の変わり目や疲れが溜まっている時に、まぶたが腫れて痒い、目がゴロゴロする、指で軽く押すと痛い。
そんな症状がみられたら、ものもらいかもしれません。ここでは、ものもらい(めばちこ・めいぼ)について症状から治療法、予防策までをしっかりとご紹介します。
目次
・ものもらい(めばちこ)とは?
・「ものもらい(めばちこ)」は方言
・ものもらい(めばちこ)の原因
・ものもらい(めばちこ)の症状
・ものもらい(めばちこ)の治療方法
・ものもらい(めばちこ)はうつるの?
・ものもらい(めばちこ)に似た目の病気
・ものもらい(めばちこ)にならないための予防策
・ものもらい(めばちこ)の治療中は眼帯が必要?
ものもらい(めばちこ)とは?
ものもらい(めばちこ)は、まぶたの縁にある汗や脂を出す腺やまつ毛の根元に細菌が入ることで感染し、炎症を起こして化膿する病気です。ものもらい(めばちこ)になると、まぶたがぷくっと赤く腫れ、痛みや痒みなどの症状を伴います。目がゴロゴロしたり、 患部が広がるとまぶた全体が腫れ、目やにが出ることもあります。
「ものもらい(めばちこ)」は方言
ものもらい(めばちこ)は、地域によって呼び名が異なります。
関東方面を中心に全国的に多く使われている呼び名は 「ものもらい(めばちこ)」、関西方面では「めばちこ・めいぼ・めぼ」、北海道や群馬では「めっぱ」、九州の一部では「おひめさん」などと呼ばれています。
ちなみに、「ものもらい(めばちこ)」は 江戸時代に「三軒の家から米をもらって食べると治る」「この病気は、人からものをもらうと治る」という迷信が由来になっているようです。ものもらい(めばちこ)の正式名称は「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」といい、まぶたの表面にできる外麦粒腫とまぶたの裏側にできる内麦粒腫があります。
ものもらい(めばちこ)の原因
ものもらい(めばちこ)の原因は、私達の皮膚や手指、毛髪、のどや鼻、腸管などの消化管に普段から住んでいる常在菌の一種である 「黄色ブドウ球菌」などの細菌です。体力が低下していたり、免疫力が落ちている時などにこれらの細菌が増殖することで起こる傾向があります。そのため、ものもらい(めばちこ)は体調を崩しやすい季節の変わり目、特に春~夏に多く見られますが、細菌が増えにくいと言われる冬場でも、ものもらい(めばちこ)になります。
ものもらい(めばちこ)の症状
◎初期の症状
まぶたが炎症を起こして赤く腫れ、痛みや痒みの症状が出ます。
◎症状が進むと
まぶた全体が赤く腫れ、痒みや痛みが強くなり、目が充血したり目やにが出ることもあります。
◎さらに症状が進むと
腫れた部分から膿が出ます。
膿が出た後は回復に向かうことが多いですが、まれに重症化したり、しこりが残って霰粒腫(さんりゅうしゅ)に移行することもあります。
糖尿病の場合、ものもらい(めばちこ)を繰り返すことがあるので、ものもらい(めばちこ)が治りにくい、ものもらい(めばちこ)を繰り返す場合は専門医の受診をおすすめします。
ものもらい(めばちこ)の治療方法
症状が軽い場合は、眼科医で処方される目薬と目に入っても大丈夫な眼軟膏で治ります。
正しく治療すれば約2週間程度で治りますが、症状が重い場合や体調が弱っている場合は内服薬が併用で処方されます。
膿が深いところに溜まっているなど、ものもらい(めばちこ)が悪化している場合は自然に膿が出てくることがないため、切開して膿を出します。
ものもらい(めばちこ)はうつるの?
ものもらい(めばちこ)は、うつりません!
ものもらい(めばちこ)は、人が持っている常在菌の増殖による感染症のため、誰かにうつることはありません。体力が低下していると、ものもらい(めばちこ)が一度に数箇所できることもがあるので、はやり目と勘違いして「うつる」と思われるのかもしれませんね。
ものもらい(めばちこ)に似た目の病気
◎霰粒腫(さんりゅうしゅ)
ものもらい(めばちこ)とよく間違えられますが、似て非なる別の病気です。
まつげの生え際にある油分を分泌するマイボーム腺という皮脂腺が詰まり、中に分泌液が溜まることでやや硬くて白っぽいしこりのような塊ができる病気です。目がゴロゴロしたり異物感がありますが、痛みは少なく、赤く腫れることもほとんどありません。
◎流行性結膜炎(はやり目)
主に、アデノウィルスというウイルスが感染し、目に炎症が起こる病気です。
アデノウィルスがついた手指で目をこすったり、目の周りを触ることで感染します。白目部分(結膜)が強く充血し、まぶたが腫れ、目やにや涙が多く出て痛みなどの症状を伴います。ものもらい(めばちこ)と違って、感染力がとても強いため、子供がかかると保育園や学校への出席が停止になります。
ものもらい(めばちこ)かな?と思ったら自己診断せず、早めに眼科を受診しましょう。ものもらい(めばちこ)の治療中は、コンタクトレンズは装用せずメガネに切り替え、目元のメイクも控えましょう。
ものもらい(めばちこ)にならないための予防策
ものもらい(めばちこ)にならないためには、目の周りを清潔にしておくこと、細菌を増殖させないことが大切です。
◎目と目の周りを清潔に
・無意識に汚れた手指で目の周りを触らないよう、こまめに手洗いをし、顔周りに使うタオルはいつも清潔なものを。
・前髪が目やまぶたに触れないように注意。
・目の際までのアイメイクはほどほどに、メイクはきちんと落とす。
・まつ毛エクステ、つけまつ毛の不衛生も、ものもらい(めばちこ)の原因に。
・コンタクトレンズは正しい装用方法を守る。
など
◎体の抵抗力・免疫力を落とさない
ものもらい(めばちこ)は体力や免疫力が低下している時になりやすいため、日頃の生活習慣に気をつけましょう。
・疲れやストレスを溜めず、十分な睡眠と休養をとる。
・ホットタオルなどで目を温めて休める。
・軽くでも良いので、毎日適度に運動する。
・バランスの良い食事を心がける。
◎摂り入れたい栄養素
・ビタミンA
目の粘膜を強くし、目の疲れや乾燥を防ぐ働きがあります。
にんじん・ほうれん草などの緑黄色野菜、レバー、うなぎ、卵黄など。
・ビタミンB群
ビタミンB2は目の疲れに効果的、ビタミンB1が不足するとイライラなどの精神的疲労を起こしやすくなります。
ごま、ブタ肉、レバー、納豆など。
・タンパク質
体内のホルモンや免疫物質などを作る、体の重要な構成成分です。
大豆、卵、レバー、チーズなど。
ものもらい(めばちこ)の治療中は眼帯が必要?
ものもらい(めばちこ)になった時、眼帯が必要じゃないの?と思われるかたが多いですが、ものもらい(めばちこ)の場合、眼帯は必要ありません。雑菌が入ることを気にされるかたもいますが、眼帯をすると眼帯の中で菌が発生してしまったり、白目の充血や目やにが増えることがあるため、基本的には眼帯つけないようにしましょう。とはいえ、目が腫れるので見た目の印象が気になりますね。どうしても見た目が気になる場合や目の周りを思わず触ってしまわないために、治療中はメガネ着用をおすすめします。縁が太めのメガネなら目の腫れもノーメイクもカバーできます。
ビジョンメガネでは、ものもらい(めばちこ)など目の病気になった時に保護用としてもお使いいただけるメガネを多数取り揃えています。度数のない伊達メガネなら、その日にお渡しできますので、お気軽にご相談ください。
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監修:公益社団法人 日本眼鏡技術者協会 眼鏡作製技能士1級 小倉正道
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職業能力開発促進法 第47条第1項の規定に基づき、技能検定職種のひとつとして、令和3年8月13日に(公社)日本眼鏡技術者協会は厚生労働大臣から眼鏡作製職種の指定試験機関となり、試験業務を実施することになりました。
※公益社団法人 日本眼鏡技術者協会 眼鏡作製技能士の情報はこちら